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選挙情報リテラシー ~踊らされないための “4つのギモン”~【選挙に行こう!参院選直前 5日間連続集中講座 No1】下村 健一 氏


【ポイント要約】

●国民は、例えば公約などの「政府の言葉」を《道具》にして活用しよう。

・利用できる道具(言葉)がないか探して100%活用しよう

・それを活用するしなやかさを持てないと、自滅して終わる

もっといえば、政府の出すメッセージから“利用できる言質”を取りにいくという姿勢が重要です。

●新しい《物事の決め方》は、「永田町だけで決めるのではなく、みんなで議論することだ」。そうして2030年に原発0を目指すという方針が決まったのです。

メディアは、結局2030年に0かどうか、というところにしか注目しません。決め方はニュースにならないのです。ですが、この時私は、日本人は話せばわかる、話し合いで解決できる高い能力を持っていることを確信しました。

●デモなどの「国民の声」は政府に届いているのか?パブコメは?

→金曜の国会デモは政治に確実に影響を与えました。野田総理が2030年に0と言ったのは、確実にこのデモが影響しています。

→8.9万人のうち7.7万人が原発反対という声が集まったパブコメの最大のインパクトは、「コピペが少なかった」こと。パブコメを送ってきた人の大半が自分の言葉でコメントを書いていた、そのことに多くの大臣が動かされました。これは組織票じゃない、ひとりひとりの国民が意思を示したのだと。その意味で、国民が意思を示すデモやパブコメは、実は大いに政治を動かしているのです。

●野田総理は2030年に0を目指すことを決断しました。そのためにあらゆる政策資源を投入することになりました。これは民意の反映でした。

●メディア情報に踊らされないために…

{Ⅰ}結論を即断するな

{Ⅱ}意見・印象を、ウ呑みするな

{Ⅲ}1つの見方に偏るな

{Ⅳ}スポットライトの周囲を見よ

★まず{Ⅰ}だけでもスタートして、段々{Ⅱ}{Ⅲ} {Ⅳ} を身に付けよう!

【選挙に行こう!参院選直前 集中講座】の記念すべき第1回講義を、下村健一氏にお願いしました。「そうなのか~」の連発、情報をこんな風に取ればいいのかと目からウロコの連続で、大変熱い会となりました。以下、主に前半の内容を、

・資料スライド

・講義内容を書き起こし風ダイジェスト

でお届けします。

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今日は選挙情報リテラシーとして、「4つの“ギモン”をもとう」という話をします。

後半で出てくる4つの”ギモン”を是非覚えておいてください。

最初に自己紹介をします。自称「情報スタビライザー」です。スタビライザーというのは、船が一方に傾いたら自動的に反対側に動かして、正常に戻そうとする装置のことです。

そのスタビライザー=世の中をもとに戻すことを目指して、自分のことをこう呼ぶようになりました。

ネットが普及して情報が爆発的に流通するようになって、格段に傾きやすくなっています。

権力による操作、それ以前に、“空気”が一方に押し寄せるようになってきています。

そんな世の中にあって、スタビライザーという役割はますます重要になるのではないかと思います。

私は今55歳ですが、もともとTBSのキャスターでした。テレビに出ていた頃は

①伝達者の改善

TBS報道アナ 15年

フリーキャスター 10年

でした。それが縁あってTBSを離れ政府のスタッフとなり

②発信者の改善

内閣広報室 2年半(菅・野田・安倍首相)

そして今は

③受信者の改善4年目(慶応・関西・白鴎大)&小5教科書執筆

という立場です。

でははじめましょう、今日の大きな内容です。

■今日お話しする事

【Ⅰ】 政治の世界を内側から見ると

(首相官邸で働いて初めてわかった事)

【Ⅱ】 昨日のネット記事について補足説明

【Ⅲ】 選挙情報に踊らされず、

賢く投票日を迎えるために

まずは、鳩山→菅→野田という民主党政権の振り返りから。

■参院選投票1週間前の今考える--前々回総選挙の《意味》

・1人1人の投票が、本当に政権を変えた。

・ 日本社会にとって、初めての出来事。

(GHQでもなく、国会内多数派工作でもなく)

But、挫折…「民主党の担い手たちがダメだった」

★本当に、神輿だけの問題か? 担ぎ手は?

・新政権を産んだ国民は、その瞬間に

新政権の育成を手放した。なぜか?

前々回の総選挙と政権交代とは何だったのかをおさらいしておきましょう。

■第1ボタンの掛け違え-- 鳩山政権の、最初の国民向けメッセージ

●2009年8月30日深夜(総選挙開票で、政権交代が確定した直後)

鳩山代表談話「国民のさらなる勝利に向けて」

国民を指す言葉として… 「国民の皆さん」×9回登場

⇒野党時代の「私たち国民」ではなく、「国民の皆さん」

※7ヶ月前のオバマ米大統領就任演説(同じく民主党政権誕生時)

国民を指す言葉として…「we」×約60回登場

言語特性の違いだけでは片づけられない大差

「私たち国民」から「国民の皆さん」への変化は、実は大変大きかったのです。「私たち国民」では鳩山さんはこちら側にいる、しかし「国民の皆さん」になった瞬間、鳩山さんは向こう側に行ってしまった。オバマさんが「we」と言い続けたのとは大違いです。

ここから、国民と政権の乖離が少しづつ始まっていたといえるでしょう。

■第1ボタンの掛け違え-- 鳩山政権の、最初の国民向けメッセージ

【民主主義社会での政権交代とは…】

国民感覚から乖離してしまった政権を

《私たち》の側に取り戻す営み

●なぜそれが達成された瞬間に、《私たち》の

新リーダーから他者呼ばわりされるのか?

●これに呼応して、国民側も、自らの票で選んだ

政権を《あちら側》の存在と見るようになった。

■…で、新政権への失望が徐々に 高まる中、召集を受けて泥船へ

●2010.10 内閣審議官(特別国家公務員)

~13.03 ~内閣広報アドバイザー(民間契約)

*菅政権…官邸と国民を近づける新たな発信作り

(試作品第1号撮影直後に震災で頓挫)

*野田政権…原発依存度決定の「国民的議論」

&「革新的エネルギー環境戦略」策定チーム

*安倍政権…初動3ヶ月余のFB、LINE、ラジオ等

私は実は菅元総理の長年の知人でした。菅さんが首相になってしばらくしてたまたま会う機会があり、私は菅さんに「菅さん、一体何やっているの?一般の国民に官邸が何をやっているかまるで伝わっていない。情報発信の専門家を置くべきだ」といったんです、そうしたら、じゃ君がやってくれ、ということになり、泥船とわかっている船に乗り込むことになりました。特別国家公務員制度という制度があり、2年間、民間から登用され公務員になっている人がたくさんいます。

入った当初は相当警戒され異端扱いされました。が、徐々に受け入れられていき、政権と国民をつなぐ試みとして。福山内閣官房副長官と、国民の質問に答える動画作りを始め、試作品第一号ができた直後に震災が起きました。試作第一号は2011年3月8日でした。

■菅政権が試みたコミュニケーション

★3・11震災発生……一変した内閣広報室の使命

・官邸災害対策ページ……発災44分後 立ち上げ

13(日) 各省課長会議で横串 ⇒ 6日目で 1000万PV突破

・官邸災害ツイッター……13(日) 15:42開始

⇒ 数日で20万フォロワー突破 ⇒ 今94万人

・総理・官房長官会見に手話……翌14(月) 配信開始

情報弱者に伝わる=皆に伝わる

◎ どれも肝心の被災者に届かぬ! 自治体ルートも×!

⇒ ラジオ、壁新聞、手渡しリーフレット 展開へ

3.11震災時に菅政権が試みたコミュニケーションをふりかえりますと、官邸災害対策ページが44分で立ち上がり、13日には省庁横断の課長会議で一本化されたのは前代未聞、とかく縦割りになっているものを横串で串刺しにしました。これが6日で1000万PV突破というのも快挙でした、

官邸災害ツイッターが13日の15時42分に立ちあがったのも驚くべきこと、数日で20万フォロワーを獲得し、現在は恐らく100万人を超えていると思います。

こうしたことで官邸と国民の距離は近づいたと思います。

手話は、「情報が情報弱者に伝われば、全員に伝わることになる」という考えから始めましたが、如何せん、あの震災では実は、どの情報も被災者当人たちには届かなかったのです。

そこで、作戦を変え、ラジオ、壁新聞と手段を変えました。ラジオは災害時のミニFMを使い、細かな、あそこのガソリンスタンドで給油可能になったというような情報まで伝えました。枝野&下村で毎日やり続けました。壁新聞は、作ったはいいが、だれが運ぶということになり、自衛隊にお願いしました。最初自衛隊からは拒否反応もあったのですが、辻元清美さんの「水と食料と情報が必要」という一言で、そうだな、と自衛隊が運んでくれました。

こんなことはみなさんご存じないでしょう。

政府がいいことをしても当たり前と受け取られるだけで、ニュースにはならないのです。それは政府広報の仕事でしょ、と、メディアには言われてしまうものでした。

さて、

■野田政権が試みたコミュニケーション

★省庁横断・有事モードの“普段化”

●非常時の広報は、急には変われない。

⇒ 普段を変えてO.J.T.

・「震災特設ページ」 ⇒ 「政策ポータルサイト」

・「官邸災害ツイッター」 ⇒ 「官邸ツイッター」

・ラジオ「震災情報 官邸発」 ⇒ 「政策情報 官邸発」

・新たな伝達ルートの開拓……Facebook、LINE、等

※ Not 《下村が変えた》、 But 《必然的に変わった》

(その時期にたまたま下村が居合わせた)

●後戻りしないようにすることが今後の課題

菅政権の後の野田政権では、省庁横断モードの「普段化」に取り組みました。これは、人間はいざという時にいきなりは変われない、だったら普段からのOJTの中で、今回の広報の変化を定着させようというのが狙いでした。

民主党はちょっと間違えて、すべてを政治主導にしようとして、官僚をないがしろにしてしまいました。最後の決断を政治がするだけでよかったのですが、プロセスを全部政治主導にしようとしたから官僚との軋轢が生じた。

もともと官僚言葉はとても分かりにくく、それは突っ込まれないことを最上としているからなのですが、それを壊したことは一つの功績でした。

でもこれらは下村がやったことではなく、誰であっても誰かがやったことでしょう。それは歴史の必然でした。

FBやLINEなど新しいルートも開拓したので、今後の課題は「後戻りしない事」です。

■国民は、政府の言葉を《道具》にしよう

【例】「大飯原発再稼働」方針表明時の、枝野経産大臣発言

2012.4.13 “四大臣会合”(総理・官房長官・経産相・原発担当相)締括り会見

(ア)政府は昨年7月、脱原発依存の方針を決定。

(イ)今回の会合も当然その方針の枠内。

(ウ)大飯再稼働につき、政府として国民・自治体の

理解を得られるよう全力を挙げる。

(エ)決して今日再稼働を決めたものではない。

(オ)今後も各発電所で、その都度判断。

(カ)一日も早い脱原発依存に向け、最大限の努力を、

この機に改めてお約束する。

●最重要の(ウ)と合わせて、この機に伝えたい5項目を列挙

*原発推進派は…利用価値ある1項目(ウ)をフル活用

*原発反対派は…利用価値ある5項目を「どうせ嘘」「ブレた」と無視

●政府メッセージを「活用の対象」と見る≪しなやかさ≫に欠ける側が自滅

私が言いたいのは、国民は、例えば公約などの「政府の言葉」を《道具》にして活用すべきだという事です。

上記のように、大飯原発をめぐる出来事がありました。枝野さんはア)からカ)の6つのことを言って、(誤解も多いようですが、実は枝野さんはゴリゴリの脱原発論者です。あの事故を目の当たりにした当事者であったのだから、当然ともいえますが)、原発推進派にも一定の配慮をしつつも、決して枝野さん自身は、再稼働推進とは言っていないのです。

でもこのケースでは、原発推進派はウ)を最大限利用し「再稼働」を大きくアピールしたのに対し、反対派は投げてしまった。実はこの中でもア)脱原発、エ)決して再稼働を決めたものではない カ)一日も早い脱原発、という風に、脱原発派が利用できるところはたくさんあるのに、脱原発派は「枝野はぶれた」といって放棄してしまった。ここに問題があります。

「あのときそう言ったよね」と発言を道具にし、したたかに戦うことが求められているのに、反対派は「どうせ嘘」と自ら無力化してしまった。ここが誤りでした。

政治は様々な力学の合算であり、この場合脱原発100%の結論は難しかったけれど、枝野さんは十分脱原発派が戦える言質を残しているのに、それを無力化してしまったのです。

ここでの教訓は

・利用できる道具(言葉)がないか

・それを活用するしなやかさを持てないと、自滅して終わる

ということです。

もっといえば、政府の出すメッセージから、利用できる言質を取りにいくという姿勢が重要なのです。

■新しい《物事の決め方》を模索して

★原発比率目標 決定までのチャレンジ

●民主主義の政策形成過程の中で--広報の大実験

結 論 提 示=知らせる広報 から

選択肢提示=巻き込む広報 へ

*各地での「国民意見聴取会」―――初期の小混乱

・ファシリテーターの死活的重要性――業者司会の無理

・電力会社員排除、3シナリオの均等指名中止は妥当?

*3シナリオ設定への疑念……「茶番劇」 払拭への努力

新しい《物事の決め方》にむけて、国民的議論を喚起する大実験をしました。それが原発比率目標決定までのプロセスでした。

それまでの「結論を知らせるだけの広報」から、「巻き込む広報」へ。

このとき、原発比率の3つのパターン(0%,15%,、25%)を提示し、各地で国民意見聴取会を開催したのですが、初期の混乱=ファシリテーターの不備による混乱が発生。プロの司会者を雇ったのですがうまく機能せず、結局下村がやれということになり、私がその後やって行きました。

そこで問題になったことは、3シナリオを均等に配分したのですが、世論比率とは違うのではないか、ということだったのです。確かに、まだ震災後1年余りの事でしたので、脱原発派が多かった時期でした。

福島会場で開催した時には、その声を受けて、脱原発オンリーの人しか呼ばなかったのですが、実はこれでは「全く議論にならない」のですね。

そこで二次会をやりましたら15人ほどが集まってくれ、終電ぎりぎりまで意見を交換しました。その時に、「この場には0だけではなく本来25%の人もいるべきで、日本のエネルギーをどうしていくのか、という議論が出来ないと意味がないのでは」ということを、0の人たちに言いましたら「それはそうだね」とわかってくれました。そのことが大きな収穫でした。

新しい《物事の決め方》は、永田町だけで決めるのではなく、みんなで議論することだ、という事を、このときに実践したのです。そうして2030年に原発0を目指すという方針が決まったのです。

メディアは、結局2030年に0かどうか、というところにしか注目しません。決め方はニュースにならないのです。ですが、この時私は、日本人は話せばわかる、話し合いで解決できる高い能力を持っていることを確信しました。

さて、みなさんが日頃思っている、デモなどの「国民の声」は政府に届いているのか?意味がないのではないか?という疑問にお答えします。

金曜の国会デモは政治に確実に影響を与えました。

メディアは最初完全にスルーしていました。記者もエリートの人が多く、市民運動というのを経験したことのない人が多かったと思います。だから、あれが何であるかという感性が欠けていた。

しかしOur Planet TVという私が副代表をやっている市民メディアでは、寄付でヘリをチャーターし、上空からの写真をとり、国会前の7/29の情景をネットで流した。そこでやっと大手メディアも、これはただ事ではないと、ニュース化しました。

野田総理が2030年に0と言ったのは、確実にこのデモが影響しています。2月上旬の閣議で、「原発を0にしたらどうなるか、具体的にシュミレーションしてくれ」という指示が出ましたが、それもその影響と考えられます。

官邸は完全に防音されているので外の声は聞こえませんが、官房は聞こえます。

また、帰宅しようとするとデモの人が沢山いるので、政府関係者がデモを意識せざるを得なかったという効果もありました。

パブコメで、8.9万人のうち7.7万人が原発反対という声が集まりました。これは民意を反映しているか?というと、私は必ずしもそうではないと考えます。

なぜなら、自ら書いてきたという人が8.9万人、現状維持を望む人はあえてパブコメなど書かないので、反対の人が現実の比率よりも多くなるだろうことは容易に想像がつきます。

でも、あのパブコメの最大のインパクトは、「コピペが少なかった」ことでした。モデルの文章は流布されているが、パブコメを送ってきた人の大半が自分の言葉でコメントを書いていた、そのことに多くの大臣が動かされました。これは組織票じゃない、ひとりひとりの国民が意思を示したのだと。

その意味で、国民が意思を示すデモやパブコメは、実は大いに政治を動かしているのです。

意見集約作業の新しさということも、このときに実感されました。

国民の意見を集約するということが可能なのか?意味のあることなのか?

世論調査の業者に相談し、意見集約についての議論の様子をネットでライブ配信もしました。徹底公開することで国民の疑念を払拭することが、どれだけ大事か実感しました。

ただし、全部国民の意見に従うなら、政府は不要になります。十分に聞き取ったうえで、最後の判断を政府が行うことで、政治が機能します。

野田総理は2030年に0を目指すことを決断しました。そのためにあらゆる政策資源を投入することになりました。これは民意の反映でした。

■国民は、政府の言葉を《道具》にしよう【再】

★「革新的エネルギー環境戦略」(12.9.14策定)

⇒ 9.19「閣議決定されず」のミスリード報道

*実際、その時の閣議決定の文言は…

「今後のエネルギー環境政策については、

(ア) 『革新的エネルギー環境戦略』を踏まえて、

(イ) 関係自治体、国際社会等と責任ある議論を行い、

国民の理解を得つつ、

(ウ) 柔軟性をもって、不断の検証と見直しを行いながら

遂行する。」

●今から(ア)vs(ウ)の攻防戦が始まる局面だったが…

(ア)支持側が報道に落胆して自主撤退 ⇒ (ウ)が不戦勝

★原典に当たって言質を取りに行く姿勢に欠ける側が自滅

このケースは、残念ながらミスリード報道によってア)が落胆して不戦敗を喫し、それによりウ)が勝ってしまったというものでした。そしてその3か月後に自民が勝って、無効にされてしまいました。

「閣議決定されず」という報道を鵜呑みにし、原点(原典)に返って確認、言質を取るという姿勢がないと、勝手に自滅、不戦敗になってしまう典型的な例でした。

でもそうしたのは誰が?というと、実は国民だったのです。

■何が違う? 安倍政権の見事な広報

×《能力の違い》と言うより→○《姿勢の違い》

菅・野田政権   安倍政権

発信担当 多船頭体制    少数の指示者

基本姿勢 守りの      攻めの

全面公開     限定公開

到達目標 伝えること    伝わること

この2つは大いに違います。伝わることを念頭に置き、少数の人々の洗練された言葉で、攻めの限定公開をしている安倍政権は、見事な広報活動をしています。それは良く認識しないといけません。

■「政府と話す」時の壁 ――お役所言葉はなぜ難解?

【一般のニーズ】 【霞ヶ関のニーズ】

●広報の目標 極力 わかり易く ⇔ 極力 責められずに

その為には… より絞り込んで ⇔ より網羅的に

より具体的に ⇔ より抽象的に

●メディア戦略 見出しを作る ⇔ 見出しを避ける

●先手/後手 説明し~議論へ ⇔ 批判され~釈明

×《わかりやすくする努力の不足》ではなく、

○《わかりにくくする努力の結実》という文化

お役所言葉は、「絶対責められない」様に、抽象的網羅的で、わかりにくくしてあります。そのことをよく理解しておくことが重要です。

■選挙時は、普段以上の情報洪水 以下のどちらにも注意

※多くはないが、だまそうとする悪意のある情報

乗せられやすい!要注意

※悪意はないが、あるイメージを付けてしまう情報

毎日たくさん!超注意

§講義補足&感想§

以上、下村先生が関わられた菅→野田→安倍政権の内側の話をたくさん聞かせて頂きました。ここから先は

【Ⅲ】 選挙情報に踊らされず、

賢く投票日を迎えるために

というテーマについてですが、これはポイントのみ紹介します。

結論を言うと

■【おさらい】 メディア情報に踊らされないために…

{Ⅰ}結論を即断するな

{Ⅱ}意見・印象を、ウ呑みするな

{Ⅲ}1つの見方に偏るな

{Ⅳ}スポットライトの周囲を見よ

★まず{Ⅰ}だけでもスタートして、

段々{Ⅱ}{Ⅲ} {Ⅳ} を身に付けよう!

ということです。

下村先生の以下のご著書『10代からの情報キャッチボール入門』に詳しく載っていますので、是非そちらをご覧ください。

ポイントは、情報を見た時に、ドキッとしても、大変だ!と思っても、まず、

{Ⅰ}結論を即断するな

→一旦【保留】にして一呼吸置こう

{Ⅱ}意見・印象を、ウ呑みするな

→事実と意見・印象をわけてみよう。事実だけをピックアップすると案外大したこ

とではなかったり、ぱっと見の印象と違っていたりする。まず【事実だけをピック

アップ】してみよう。「なあんだ、こんなことか」、と思うはず。

{Ⅲ}1つの見方に偏るな

→事実だけを仕訳できたとして、でもその事実が、こっち側からだけ見たものではな

いか、向こう側から見るとどう見えるのかも考えてみよう。ここが大事。

{Ⅳ}スポットライトの周囲を見よ

→ニュースは、ニュース性のあることしか言わない。「飛行機が落ちました」とはいっ

ても、「ほかの飛行機は全部無事運航しています、落ちていません」は言わない。ス

ポットのあたっているニュースの影で、事実としてあることを冷静に探してみよう。

案外そこに、「なあんだ、こっちが本当だ」という真実が隠れている。

■以上のお話、お子さんには--

『10代からの情報

キャッチボール入門』

[岩波書店/昨年4月刊]

★ 4つのギモン&ジモンを【事例A~Z】で解説

★今日の内容が、さらに詳しく理解できます!

■その他の参考文献 (全て下村・著)

【Ⅰ】 の詳細 (岩波書店)

『マスコミは何を伝えないか』

【Ⅱ】 の詳細 (朝日新書)

『首相官邸で働いて初めてわかったこと』

【Ⅲ】 の詳細 (講談社/今年度内)

『想像力のスイッチを入れよう』

【近日再開】 (関連情報サイト)

『シモムラスイッチ』 ⇒下村HPから直結リンク

下村先生の『10代からの情報キャッチボール入門』を読むと、センセーショナルなニュースも、結構隠れた所に真実があったり、違う見方で見ると全く異なる様相を示すことがあるとわかってきます。自分に都合のいい、自分の意見にぴったりなニュースでも、こうやって、保留→事実と印象や意見との仕分け→違う見方探し→スポットのあたっていないところに隠れているものを探すというプロセスをきちんとたどると、最初の思い込みから離れることが出来ます。それが、あなたが「情報の加害者」にならず、かつ「情報の被害者」にもならない、効果的な方法です。

下村先生は、この方法を全国民に伝えたいと、大変なパッションで取り組んでおられます。情報に踊らされず、自分のアタマで考える、判断する。あるいはいったん保留して、この手順で考えてみて、情報に踊らされないことを目指していく。それが大事だと語られていました。わたしも、この方法を聴いた後では、何でもすぐに「えらいこっちゃ!」とシェアしていた姿勢を改めました。


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