第一回森里海会議 第二部トークセッション

◆登壇者 海代表:畠山重篤氏 里代表:井村辰二郎氏 森代表:池田雅子氏、佐藤岳利氏 モデレーター:徳江倫明氏 司会:小谷あゆみ氏 飛び入りゲスト:本田亮氏 一般財団法人22世紀に残すもの発起人代表:渡邊智恵子 渡邊: これからトークセッションが始まりますが、その前にご紹介させてください。実は「22世紀に残すものTalk」というYouTube番組では今までに24名のゲストをお呼びし、私がインタビューするという構成でラジオやYouTubeで流しています。今回登壇されている佐藤さんや井村さんも、「22世紀に残すものTalk」に登場していただいています。その他に番組に登場してくださった本田亮さん、四井真治さんのお二人も、実は今日この会場においで頂いています。四井さんは懇親会までいらっしゃるのですが、本田さんは懇親会出られないということなので、ここでご紹介したいと思います。 ①「環境メッセージ」をクリエイティブとユーモアで伝える 川代表 本田氏 渡邊: 本田さんは電通でご活躍され、「ピッカピカの1年生」というCMを作った方で、今は環境漫画家などをやっている、私の大好きな人です。みなさんに紹介したいと思い、財団一周年記念でもあるので素敵なコメントいただけたらいいなと思います。「22世紀に残すもの」は、私の大好きな人ばかりゲストにお呼びしている独断と偏見の番組なんですけど、こういう人にゲストとしてお話をしてもらっています。本田さん、数分で結構です、私との馴れ初めとかをお願いします。 本田: いつも突然のご指名ありがとうございます(笑)。今日はいきなり朝、「ひとことしゃべってくれ」と言われまし

第一回森里海会議 第二部 活動事例報告(井村 辰二郎 氏)

◆ご挨拶 里代表としてお話しさせていただきます。 実は一昨日、12月8日は「有機農業の日」という記念日でした。 日本の中で有機農業推進法の制定された日です。その法律の制定へ尽力いただきました本野一郎 さんという大先輩が9月26日に亡くなりました。それと本当に私が尊敬をする、有機農業の第一人者と呼べる山下一穂さんが11月26日に永眠なさいました。お二人とも大先輩で、この場でお二人に感謝を述べたいと思います。 (会場スライドで説明) こちらの最初の写真は私の父親で井村あきらといいます。 私は1960年生まれの53歳で、5代目の農家になります。 ◆農業者としての立ち位置 今日のテーマなのですが、農林水産省は「農業の多面的機能」という言葉を数年前から積極的に使っていて、まさにこの図がすごくわかりやすいと思うのですけれども、畠山さんの海の係がいて、山がある。私たちはこの農地、特にこの水田、山にも畑があるのですが、真水を有効利用しながら景観であるとか、いろんなもの役割・使命を持って農業をしております。その中で私が選択したのは有機農業で、なるべく環境に負荷のかからないような農業をやっていきたいと思っております。 みなさんご存知のように2015年9月、国連で大変野心的な「2030年アジェンダ」というのが発表されて、私はこれを見たときに「あ、まさに農産業だな」というふうに感動しました。 本当に世界はこの方向へいくのだろうか、この17のアジェンダというのは本当に農業に関わるものばかりで、例えば水の問題であるとか、生物多様性の問題、貧困の問題、食糧問題、いろんなことが農業に関係してきます。この中で私

第一回森里海会議 第二部 事例報告(池田 雅子 氏)

◆挨拶 みなさん、こんにちは。今、ご紹介を頂きました長野県佐久市から参りました池田雅子と申します。今日このような機会を与えて頂きました渡邊社長はじめスタッフの皆さんに心から感謝申し上げたいと思います。私は今ここに立っているにあたり、森で今まで出会ってきた生物たちに「今日はしっかり森のことを伝えて来いよ」と言われているように思っています。私の目の前にいる皆さんに森のことを伝えるパイプ役をさせていただけたらいいなと、私の仕事はただそのひとつだと思っています。 ◆森と関わるきっかけ ここにおもてに描いてありますこの絵も私が描きました(スライド―表紙の絵)。さきほどご紹介頂いたのですが、私と森との出会いは、私が「慢性疲労症候群」という病気にかかったことからでした。この病気になると様々な症状が出るので、人と会うのが困難になっていきます。その中で、家族と過ごした場所がこのような森でした。そこで私は絵を描くことを始めてすごく治癒したんですね。それで森林と人のこころのつながりには何か理由があるんじゃないかと、それとこれで自分が本当にすっかり―いま皆さんは私を見てどこか病気を持っていると思われる方は少ないと思うのですけれども―森林を使ってこころのケアができるんじゃないかということを思いまして、森林を使うならまず森を痛めてはいけないだろうということで森林生態学、そのときは森林生態学ということがあることも知らなかったんですけれども、たまたま紹介された先生が森林生態学という分野(のご専門)だったんですね。森林生態学というのはすごく新しい学問です。山を、だいたい森林をやるので古いのは林業なんですね、日本

第一回森里海会議 第二部 事例報告(佐藤 岳利 氏)

司会・小谷)続きまして、森のお立場からご紹介します。株式会社ワイス・ワイス代表取締 役の佐藤岳利さんに伺います。1996 年に豊かな暮らしをテーマとするインテリアブランド、 ワイス・ワイスを設立。現在表参道のショップでオリジナル家具販売およびインテリアコン サルティングサービスを中心に、六本木の東京ミッドタウンで日本の伝統工芸を世界に発 信する暮しの道具の専門店を経営されています。フェアウッド 100%による家具作りを提唱 し、国産広葉樹や FSC 認証などを積極的に使うワイス・ワイスグリーンプロジェクトを展 開されています。2015 年、宮城県の栗駒山のスギで地元の人たちとつくる家具、クリコマ シリーズで「ソーシャルプロダクツアワード 2015 東北復興特別賞」を受賞されています。 ・森を作る家具 佐藤)こんにちは。よろしくお願いします。22 世紀に残すもの財団、主催者のみなさん、 ご来場のみなさんに感謝申し上げます。ありがとうございます。ご紹介にあずかりましたが、 今私は 53 歳ですが、今から 21 年前の 32 歳のときに思い切って脱サラしてワイス・ワイス という会社をつくりました。ご紹介いただきましたように、「森をつくる家具」というのを 今一生懸命展開しています。なぜ「森をつくる家具」ということで日本の木を使った家具作 りに至ったかということを話させていただきます。 ・今までの仕事 私が大学のときは、青田買いがあるほど バブルの最絶頂期でした。本当に狂った時代で、大学はマージャンや遊びの仲間と落ち合う 場所でろくでもなかったんですけど、運よくいい会社に出会いまして、乃

第一回森里海会議 基調講演 畠山 重篤 氏

◆はじめに 私は本職は牡蠣やホタテの養殖業で、父の代からで私は二代目です。今では息子が三代目を継いでくれており、四代目を継ぐべく孫は七人も生まれました。孫の代で100年になります。 やっぱり「食べていかないといけない」のです。同じ仕事で100年食っていくのは生半可なことではなく、口先だけでは続きません。そういう意味で、私達の「森は海の恋人の運動」は、いろんな面で評価を頂いていたと思っています。 ◆現状 東日本大震災では気仙沼も大変で、めちゃくちゃになって「海は生き物が姿を消して、海は死んだ」という学者もいました。海は死んだらどうしようもない訳ですが、現実として、目の前の海に生き物がいなくてはどうしようもありません。もしかしたら本当に死んだのではないか、と思いました。漁師になりたいと言ってくれている孫の夢を砕くことになり、もうこの仕事をできないんだと言わなくてはならないのは苦しい思いでした。しかし、3.11のあと4月5月と暖かくなってきますと、海辺に生き物の影が少しづつ戻ってきました。 15年前から京都大学と関わっています。学問の世界は縦割りで、水産、漁業、農業、河川業、林業と別々になっていたものを、トータルで考える学問にしたいと農林漁業の連環学が構想されました。ヒラメ研究の田中克先生が森里海連環学という学問で、世界で初めて森林からから海まで包括しトータルして見られるものです。 海から山を見通す視点を持つ人として学生に京大で話をしてほしいと言われて、京大の総長から辞令が来ました。長靴を履いた漁師に、です。 こうして京大に通うようになり、夏休みにはポケットセミナーという制度があり、

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